民主の「政治とカネ」、地方に根強い「未決着」感(読売新聞)

 菅直人・新首相(63)の誕生から一夜明けた5日、民主党の参院選立候補予定者は街頭演説などで「生まれ変わる民主党」を訴えた。

 トップ2人の交代で、同党は「政治とカネ」問題の決着を印象づけたい考えだが、逆風を受けた地方組織からは「まだ決着していない」とする声も根強い。一方、東京・武蔵野市の新首相の地元事務所は、厳しい状況での船出に祝賀ムードもなくひっそりとしていた。

 鈴木陽悦(ようえつ)参院議員(61)は、午前9時から地元の秋田市中心部で演説に立ち、「鳩山首相は『政治とカネ』と『普天間』の問題で責任を取って身を引いた」として、民主党は生まれ変わると懸命に呼びかけた。

 「手を振ってくれる人が増え、反応も目に見えて良くなった」

 佐賀市内では、佐賀選挙区から立候補予定の女性新人が午前8時前から街頭で道行く人に支持を訴えた。変化の兆しを喜び、「トップ2人の辞任で『政治とカネ』の問題に一応の決着がついた」と語った。

 読売新聞が菅新首相誕生後、同党の47都道府県連の代表、幹事長などに取材したところ、鳩山由紀夫首相(63)と小沢一郎幹事長(68)の「政治とカネ」の問題が「決着した」としたのは20組織。これに対し、「まだ決着していない」としたのは16組織に上った。

 「2人の辞任だけで決着がつくとは思えない」とした岐阜県連は、「菅新首相が、国民からみてクリーンな党を実現できるかにかかっている」。新潟県連は、「責任の半分は取ったといえるが、法整備などこれからの課題がある」として、同党が政権公約に盛り込んでいる企業団体献金の禁止などを進めるべきだと訴えた。

 「決着はついた」とした20組織の中にも、「政治とカネの問題を透明化していく手法の確立を」(群馬県連)、「今後の新首相の指導力に期待したい」(千葉県連)など、再発防止策の導入などで注文を付ける声もあった。

 一方で、「わからない」や「回答できない」などとしたのは11組織。青森県連は「『政治とカネ』の問題では、どのあたりで有権者が納得してくれるのか読み切れない」として、「今後は自分たちも説明責任を果たしていかなくてはならない」とした。

 ◆新首相の地元事務所ひっそり

 東京都武蔵野市のJR三鷹駅近くのビルにある菅新首相の地元事務所は5日午前、閉じられたままだった。

 午前11時過ぎにお祝いのランを持って現れた男性支持者(57)は「置いておくわけにもいかないし、また出直します」と苦笑し、ランを抱えて帰っていった。

 「足をすくわれかねない。はしゃいでいる場合ではないということだ」

 菅氏を支える地元市議は、派手なお祝いの動きがないことについて、鳩山首相や小沢幹事長が国民の批判を受け退いた後の厳しい船出であることをあげた。任命式を経るまでは正式には首相ではなく「元々お祝い事は控えめな事務所」という理由もあるという。

 首相誕生の直後は、地元が歓喜に包まれることが多い。2006年9月、安倍晋三氏が首相に就任した翌日は、地元・山口県下関市の事務所にランや祝電が次々と届き、自宅近くにはちょうちんも飾られて祝福ムードに包まれた。07年9月の福田康夫氏の首相指名の時も、地元・群馬県高崎市の事務所で大勢の支持者が万歳を繰り返した。

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